『薬屋のひとりごと』第12話「宦官と妓女」 壬氏が宦官である必要性【朝どれアニメちょこっとコラム】

腐女子の方と話をした際、彼女はBLに魅了される理由についてこう語っていた。
「恋愛ごとにもエッチなものには興味がある。ただ、その対象に自分が含まれていると思うと嫌な気持ちになる。だから男性同士の恋愛や性行為を見て楽しむんだ。」
この話を聞いてなんだか申し訳ない気持ちになったのを覚えている。僕ら男性が(無意識に)むけている視線が、彼女たちにとっては大きな負担となっているのだ。気をつけます、すみません。

なんでそんな話を思い出したのかと言えば、『薬屋のひとりごと』主人公・猫猫にその時の腐女子の方と同じ空気感を感じるからだ。
彼女は男性から女性として見られることを嫌う。一方で、仕事となれば花街にも顔を出すその態度からは、“自信に対して向けられる性的な視線”を忌み嫌っている様子が垣間見える。

そんな彼女はとある事件を機にこれまで働いていた後宮を解雇され、花街で働くこととなる。そんな彼女の見受け人となったのは、これまで後宮にて濃い付き合いのあった壬氏だった。
ここで注目すべきは彼が宦官であるということだろう。飛び切りの美貌を持ちながらも、彼は女性との性的な接触を持ち得ない。猫猫は見受けされながらも、性的な視線から解放されることとなったのだ。

身近に容姿端麗な男性がいながらも、自信に性的な視線が向くことはない。この状況に羨望の眼差しを向ける人は多いのかもしれない。

TVアニメ『薬屋のひとりごと』

■STAFF:
原作:日向夏(ヒーロー文庫/イマジカインフォス刊)
キャラクター原案:しのとうこ
監督・シリーズ構成:長沼 範裕
副監督:筆坂 明規
キャラクターデザイン:中谷 友紀子
色彩設計:相田 美里
美術監督:髙尾 克己
CGIディレクター:永井 有
撮影監督:石黒 瑠美
編集:今井 大介
音響監督:はた しょう二
音楽:神前 暁・Kevin Penkin・桶狭間 ありさ
アニメーション制作:TOHO animation STUDIO×OLM
製作:「薬屋のひとりごと」製作委員会

■CAST:
猫猫:悠木碧
壬氏:大塚剛央
高順:小西克幸
玉葉妃:種﨑敦美
梨花妃:石川由依
里樹妃:木野日菜
阿多妃:甲斐田裕子
梅梅:潘めぐみ
白鈴:小清水亜美
女華:七海ひろき
やり手婆:斉藤貴美子
羅門:家中宏
李白:赤羽根健治
小蘭:久野美咲
やぶ医者:かぬか光明
ナレーション:島本須美

TVアニメ公式サイト:kusuriyanohitorigoto.jp
TVアニメ公式X(旧Twitter):@kusuriya_PR
TVアニメ公式TikTok:@kusuriya_pr

(c)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

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