TVアニメ『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』が現在TBSにて毎週(木)24:59~、BS11にて毎週(日)24:00~絶賛放送中だ。
篠崎芳による同名ライトノベルを原作として制作された本アニメ。主人公・三森灯河は、女神・ヴィシスの手によってクラスメイト共に異世界に召喚され、クラスメイト達が次々にS級、A級と能力を見出される中、自身は最低ランクのE級である【状態異常スキル】が発現してしまう。ヴィシスによって役立たずと判定され廃棄遺跡に飛ばされた彼は、そこで自分なりの戦い方を身につけていく。
本作の主人公・三森灯河を演じるのは鈴木崚汰。灯河と共に旅をするエルフ族の騎士・セラスを演じるのは宮下早紀。絶賛放送中の本作に対し、収録の思い出話を聞いた。

――前半部分で思い出に残っているエピソードを教えてください。
鈴木 やっぱり第七話の洗濯シーンですね。セラスがこっそりと洗い上がった灯河のシャツの匂いを嗅ぐ。あそこはセラスの持つ騎士道精神からは大きく外れていて見ていて面白かったです。それに対して何事もなかったように声を掛ける灯河というバランスも良かったですね。
宮下 まさか灯河に見られているとは思わず……という感じですよね。あそこはセラスの純粋さと可愛さが現れたシーンだと思っていますので、優しい視線を送ってほしいです。
――演じるのが難しいシーンはありましたか?
鈴木 ピギ丸との出会いのシーンは演じるのに苦労しました。これまで他人とは明確な一線を引いてきた灯河。そんな彼が初対面のスライムに突如感情移入し、一緒に旅をすることになる。あの瞬間の灯河とピギ丸の距離感がうまく掴めず、何度かディレクションいただきながら録り直しをしましたね。
――確かに、灯河はピギ丸に対していきなり心を開きますね。
鈴木 そうなんですよ。いじめられいるピギ丸を見て過去の自分を投影したんだとは思います。だからこそ優しく声をかけつつも、強要しない程度に旅の仲間に誘ったんだとは思うのですが……。
――宮下さんはいかがですか?
宮下 私が演じるのに苦労したのはセラスと灯河の日常会話シーンですね。セラスは灯河に対して明らかに想いを寄せており、その想いは話が進むにつれてどんどん強くなっていく。ただ、本人はそれが表に出ないよう必死に押し殺しているんですよね。そんな彼女がどんな喋り方をするのか、強くなっていく想いをどう押しとどめるのかは悩みながら演じました。あまりにデレデレした演技をするとラブストーリーのようになってしまうので、調整しながらの演技でしたね。

――ここまで演じてきてキャラクターの欠点が見えてくるということもあったのでは?
鈴木 灯河の場合は胸の内にある復讐心が欠点といいますか、あまり人間的にプラスではない感じがしていますね。「やられたらやり返す」精神は物事を良い方に押し進めないと思っているので。ただ、彼の置かれている状況から考えたら仕方のなさも感じるのですが……。
宮下 セラスは灯河への気持ちが溢れすぎてしまうところですかね。愛情深いのはいいことなのですが、から回ってしまう事も。ただ、そこも彼女の可愛さなので欠点ではない気もするんですよね。
鈴木 愛が溢れていてもやるべきことはきちんとこなしますからね。どちらかというとセラスの欠点は人が良すぎるところにある気が……。
――人が良すぎる、ですか?
鈴木 はい。良い人すぎて他人を疑う力が弱い感じがする。今作においても灯河のことを手放しに信用しすぎだと思うんですよ。もしこれで灯河が悪人だったら……そう考えるとセラスのことがちょっと心配になってきますから。
――収録現場ついてもお聞きしたいです。おふたりは揃ってのアフレコができていたのでしょうか?
鈴木 そうですね、基本的に僕と宮下さんは一緒にブースに入ってアフレコができていました。加えて、ピギ丸たち旅の仲間が増えると、合わせて一緒に収録する人も増えていく感じだったように思います。
――共にアフレコをおこなった印象もお聞きしたいです。
鈴木 灯河は周囲に対してあまり心を開かないキャラクター。なので一歩引いた感じで、周囲の空気感に合わせずアフレコをする必要がありました。僕自身マイペースに演じることができたのですが、共演者の皆さん的には掛け合いがしづらかったんじゃないかと思うんですよ。その辺りの感触は宮下さんに聞いてみたいですね。
宮下 私自身、あまり灯河とは掛け合う感じを出さないように演技をしていたんですよ。というのも、灯河との掛け合いを意識してセラスを演じたらデレデレした喋り方になってしまいそうだったので……。なのでやりづらいと感じることはありませんでしたね。
――改めて、お二人が感じる本作の魅力についてお聞きしたいです。
宮下 各々が自分の正義のために動いている、そこに善悪を超えた価値観のぶつかり合いが起こるのが面白さだと思うんですよね。
鈴木 確かにそれもありますよね。登場人物の中に絶対悪と言えるような存在はいないし、逆に灯河自身自信も絶対的な正義ではない。各々がグレーゾーンにありながら、お互いが信じる正義をぶつけ合っているのは面白さですよね。ただ、ドロゲッティやヴィシスに正義があったかと言われると……ちょっと悩ましいですね。
――確かに、あのふたりは明確に悪な感じがしますね……。
鈴木 そうなんですよ……。そういう明確な悪人を灯河が力でねじ伏せていくのもひとつの面白さ、爽快感に繋がっているのではないかと。
宮下 そんな灯河が本作の中で圧倒的に強いのも本作の魅力じゃないですか? あまりの強さに「この人が負けることはないな」と思える。なのでハラハラせず安心して見れるとも感じています。
鈴木 確かに、前半は灯河無双状態でしたからね(笑)。にも関わらず使う技もすごく少ない、びっくりするほどシンプルな戦闘方法で次々に敵を倒していく。これも本作の特徴かもしれません。僕自身、収録にあたって「パラライズ!」と叫ぶことが多く、その中にどれだけバリエーションを持たせるかにはこだわりました。個人的には「金色龍鳴波 ( ドラゴニックバスター )!」のようなかっこいい必殺技名も叫んでみたかったですが(笑)。

――最後に、後半を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
鈴木 前半を見てお気づきかと思いますが、かなり暗い感情を持った主人公が戦うダークヒーロー作品になっています。ただ、そんな灯河に惹かれた仲間が周囲に集まっていき、その出会いを通して灯河自身自信も成長していく。そこは注目してもらいたいですね。加えて、後半はアクションシーンが一層派手になっていくので楽しみにしていてほしいです。
宮下 後半も依然として灯河は激強なので、是非とも安心して見てもらえればと思います。加えて、鈴木さんが言った通り後半は仲間も増えてくる、そこはひとつ見どころですね。ここまでのダークさを中和する可愛らしいキャラクターも登場しますので注目してほしいです。
TVアニメ『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』
■スタッフ
原作:篠崎芳(オーバーラップ文庫刊)
キャラクター原案:KWKM
監督:福田道生
シリーズ構成:中西やすひろ
キャラクターデザイン・総作画監督:橋立佳奈
LO監修:益田賢治
クリーチャーデザイン:森木靖泰 宇佐美晧一
プロップデザイン:岩畑剛一、鈴木典孝
世界観設定:枝松聖
色彩設計:福良宗大
撮影監督:中村慎太郎
美術設定:平澤晃弘
美術監督:中尾陽子
3DCG監督:佐々木康太郎
音響監督:阿部信行
音響制作:ダックスプロダクション
音楽:斎木達彦
音楽制作:日音
アニメーション制作:Seven Arcs
アニメーション制作協力:SynergySP
2024年TBSほかにて放送決定
公式HP:https:// hazurewaku-anime.com
公式X:@hazurewaku_info
(C)篠崎芳・オーバーラップ/ハズレ枠の状態異常スキル製作委員会