僕は基本的に「非人造物で」「自分の力で動いている」ものであれば“食べることができる”と判断している。もちろん毒を含んでいたり、美味しくなかったりはするので、食べたいかどうかは別の話なんだけど……。ただ、動いている以上は有機物、ということは一応食べれるんだろうな、とは考える。
しかしながら、ファンタジー世界ではこの前提条件は通用しない。こと『ダンジョン飯』を見ていると、この前提が通じないことを強く感じる。
『ダンジョン飯』は、冒険者・ライオス一行が地下ダンジョンで遭遇するモンスターをあの手この手で調理し、食する作品だ。その道中には明らかに食べれない、有機物ではないモンスターが多数登場する。第3-4話に登場した「動く鎧」や「ゴーレム」などはその好例だ。
果たしてこのモンスターたちは、有機物ではないにも関わらず、なぜ動くことができるのだろうか? その答えは本作中に登場する「魔法」という概念が大きく関わってくる。
第3話にて「動く鎧」と直面した際、ライオスたち一行はその動力源を「魔法」であると仮定し、魔法の使用者を見つけ出すことを目標に「動く鎧」と相対する。そして、この仮説は間違っている、実は彼らは有機物の力で動いていることに気付かされるのだ。
私たちが住む世界には魔法が存在しない。だから「動いている=食える」という判断が成り立つ。しかし、ライオスたちが生きるの世界ではこの常識が通用しない。「魔法」という動力の選択肢が増えることで、「動いている≠食える」になってしまう。見ていて不思議な感覚に陥らずにはいられない。
この本来あり得ない前提が通用するのがフィクションの醍醐味なんだな、なんてことを見ていて思うのだった。
TVアニメ『ダンジョン飯』
2024年1月4日(木)より全国28局にて連続2クール放送決定
Netflixほか各配信サイトにて2024年1月4日(木)22:30より地上波同時配信決定
■STAFF:
原作:九井諒子(「ダンジョン飯」/KADOKAWA 刊)
監督:宮島善博
シリーズ構成:うえのきみこ
キャラクターデザイン:竹田直樹
モンスターデザイン:金子雄人
コンセプトアート:嶋田清香
料理デザイン:もみじ真魚
副監督:佐竹秀幸
美術監督:西口早智子 錦見佑亮(インスパイア―ド)
美術監修:増山修(インスパイア―ド)
色彩設計:武田仁基
撮影監督:志良堂勝規(グラフィニカ)
編集:吉武将人
音楽:光田康典
音楽制作:KADOKAWA
音響監督:吉田光平
音響効果:小山健二(サウンドボックス)
録音調整:八巻大樹(クラングクラン)
アニメーションプロデューサー:志太駿介
アニメーション制作:TRIGGER
製作:「ダンジョン飯」製作委員会
オープニング主題歌 「Sleep Walking Orchestra」 BUMP OF CHICKEN(TOY’S FACTORY)
エンディング主題歌 「Party!!」 緑黄色社会(Sony Music Labels)
■CAST:
ライオス:熊谷健太郎
マルシル:千本木彩花
チルチャック:泊明日菜
センシ:中 博史
ファリン:早見沙織
ナマリ:三木 晶
シュロー:川田紳司
カブルー:加藤 渉
リンシャ:高橋李依
ミックベル:富田美憂
クロ:奈良 徹
ホルム:広瀬裕也
ダイア:河村 螢
シスル:小林ゆう
アニメ公式HP:https://delicious-in-dungeon.com
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(C)九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会