『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』第十七話「決着」 石動雷十太はなぜ愛されるのか?【アニメミニコラム】

僕の周囲にはなぜか石動雷十太ファンが多いらしく、X(旧Twitter)でここ数週間「『るろうに剣心』を見なきゃ!」という人がぼちぼちいる。彼自身、インパクトのある見た目と、それに見合わない情けないキャラクターで記憶に残りやすいのは非常によくわかる。

彼自身のインパクトについて理解しつつも、同時に『るろうに剣心』に登場する剣心の好敵手たちが押し並べて魅力的だな、なんてことを思う。既に登場したキャラクターをとっても、鵜堂刃衛、四乃森蒼紫、共に愛すべきキャラクターだった。
本作に登場する好敵手たちは、なぜこうも魅力的なのだろうか? それは彼らが本来的には“悪人”ではないからだと思う。

『るろうに剣心』の舞台となるのは明治初期の日本、江戸幕府による統治が終わり社会情勢が大きく変化し、世の中の価値観が大きく変化する瞬間だ。この価値観の変化により、これまでの“正義”が“悪”に転じることもある。彼ら好敵手たちはこの価値観の変化によって、はからずも“悪”の側に立つことを余儀なくされた人たちなのだ。

もしも明治維新後の社会が殺人剣至上主義の方向に傾いていたら、本作の主人公は石動雷十太だったかもしれない、なんてことを考えた。いや、流石にそれはないか……。主人公にするには小物すぎる……。

著:一野大悟

TVアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』

■STAFF:
原作:和月伸宏『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(集英社 ジャンプコミックス刊)
監督:山本秀世
シリーズ構成:倉田英之
キャラクターデザイン:西位輝実、内田陽子
音楽:髙見 優(※)
アニメーション制作:ライデンフィルム
※髙見の髙は「はしごだか」になります。
■CAST:
緋村剣心:斉藤壮馬
神谷 薫:高橋李依
明神弥彦:小市眞琴
相楽左之助:八代 拓
高荷 恵:大西沙織
四乃森蒼紫:内田雄馬

公式サイト:https://rurouni-kenshin.com
公式Twitter:@ruroken_anime
公式Instagram:@ruroken_official
公式TikTok:@ruroken_official

(c)和月伸宏/集英社・「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」製作委員会

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