「夜の校舎 窓ガラス壊してまわった」、1985年にリリースされた尾崎豊「卒業」の一節だ。なぜか僕の周囲には尾崎豊のファアが多く、学生時代にこのフレーズを何度となくカラオケで聴いた。
一方の僕自身はといえば、あまりこの「卒業」という曲に共感を感じられなかった。学校というものに対し「支配されている」という感覚がなく、校舎の窓ガラスを割る意味がよくわからなかった。だって、窓が割れてたら寒いじゃん……。
この「卒業」という曲には当時、80年代の不良の美学が歌い込まれていたのだと思う。自分の生きる環境に破壊し、そこから抜け出そうとする。それが当時のヤンキーが持つ美学だったのだろう。そんな「卒業」と真逆な美学を持つ不良が登場するのが現在放送中の『WIND BREAKER』だ。
本作の主人公・桜遥の通う風鈴高校には防風鈴と呼ばれるグループが大きな勢力を持っていた。彼らが目指すのは自分達の住む街の治安を守ること。自ら暴力を振るうことはなく、街や仲間が危機に陥った時にのみその力を行使する。そこにあるのは「卒業」で歌い込まれた美学と真逆とも言える不良のあり方だ。
時代の変遷に合わせ、そこで暮らす人々の価値観も変化する。そして、現代的な価値観に即した作品が共感を集める。『WIND BREAKER』の人気の理由に、本作が提示するヤンキーのあり方が多くの人からの共感を集めた点があるだろう。
自信を取り巻く環境を破壊するのではなく、守っていく。80年代から大きく変化した新たな“ヤンキー感”そこにあった。
TVアニメ『WIND BREAKER』
4月4日から毎週木曜深夜0時26分~“スーパーアニメイズムTURBO”枠
MBS/TBS系28局にて全国同時放送
BS日テレ:4月10日から毎週水曜夜11時00分~
AT-X:4月5日から毎週金曜夜9時30分~
※リピート放送 毎週火曜午前9時30分~、毎週木曜午後3時30分~
ABEMAほか各配信プラットフォームにて順次配信開始
■STAFF:
原作:にいさとる「WIND BREAKER」 (講談社「マガジンポケット」連載)
監督:赤井俊文
シリーズ構成:瀬古浩司
キャラクターデザイン・総作画監督:川上大志
アクションディレクター:浅賀和行
プロップデザイン:羽土真衣子
美術設定・美術監督:守安靖尚
色彩設計:横田明日香
撮影監督:長瀬由起子
3Dディレクター:渡邉啓太(サブリメイション)
編集:三嶋章紀
音楽:高橋 諒
音響監督:明田川 仁
制作:CloverWorks
オープニングテーマ:「絶対零度」なとり(Sony Music Labels)
エンディングテーマ:「無敵」Young Kee(Sony Music Labels / gr8!records)
■CAST:
桜 遥:内田雄馬
楡井秋彦:千葉翔也
杉下京太郎:内山昂輝
蘇枋隼飛:島﨑信長
梅宮 一:中村悠一
柊 登馬:鈴木崚汰
柘浦大河:河西健吾
桐生三輝:豊永利行
橘ことは:長谷川育美
アニメ公式サイト:https://wb-anime.net
アニメ公式X(旧Twitter):https://twitter.com/winbre_Sakura
アニメ公式TikTok:https://www.tiktok.com/@winbre_official
(C)にいさとる・講談社/WIND BREAKER Project