2024年1月4日よりアニメ『ダンジョン飯』の放送がスタートとなった。九井諒子の同名コミックをアニメ化した本作は、冒険者ライオス一行がダンジョン内に生息するモンスターを狩り、調理、食しながらダンジョンを踏破していく物語だ。
アニメの歴史を振り返ると、これまでにも「料理」を題材にしたアニメは数多く放送されてきた。1987年に『ミスター味っ子』が放送開始されると、その翌年には『美味しんぼ』が続き、その後放送された作品を上げ始めると枚挙に暇がない。いわばひとつのジャンルと言えるだけの量の作品が生み出されてきた。
この一大ジャンルの中で『ダンジョン飯』が異彩を放つのは、扱われる食材の斬新さだろう。本作で描かれるのはファンタジー世界、そこには私たちの世界には存在しないモンスターが多数生息している。ライオスたち一行はこのモンスターたちを食材として調理していくのだ。
映像は味を伝えることができない。しかし、見るものに味を想像させることはできる。映像と演出を駆使し、登場する料理の味をいかに想像させるか。それが「料理」を題材にしたアニメの面白さの鍵になってくる。この想像力を掻き立てるため、使用食材を具体化し、調理工程を綿密に描くかが料理アニメの面白さを担保しているように思う。
この点でいくと『ダンジョン飯』が抱えるディスアドバンテージは大きい。本作に登場する食材はどれも私たちの身近には存在していないのだ。にも関わらず、本作になぜこうも惹きつけられるのだろうか。そのヒントはライオスが口にした「生態系」という言葉が強く関わっているだろう。
どんな環境にも生態系は存在し、そこには捕食-被食関係で結ばれた食物網が存在する。ライオスはこの原則がダンジョン内でも成立しており、モンスターたちの間にも捕食-被食関係が出来上がっているはずだと語るのだ。
この生態系の存在が私たちの想像力を掻き立てる。確証こそないものの「肉食系のモンスターは肉に臭みが大きいだろうな」なんてことを思わせてくれる。この想像掻き立てる力こそが本作の魅力につながっていく。結果、食べたことがない、現物を目の前にすることすら叶わない料理を見て私たちは「美味しそうだ」と感じてしまうのだ。
今後、本作にはいかなる料理が登場するのだろうか? 楽しみにしていきたい。
TVアニメ『ダンジョン飯』
2024年1月4日(木)より全国28局にて連続2クール放送決定
Netflixほか各配信サイトにて2024年1月4日(木)22:30より地上波同時配信決定
■STAFF:
原作:九井諒子(「ダンジョン飯」/KADOKAWA 刊)
監督:宮島善博
シリーズ構成:うえのきみこ
キャラクターデザイン:竹田直樹
モンスターデザイン:金子雄人
コンセプトアート:嶋田清香
料理デザイン:もみじ真魚
副監督:佐竹秀幸
美術監督:西口早智子 錦見佑亮(インスパイア―ド)
美術監修:増山修(インスパイア―ド)
色彩設計:武田仁基
撮影監督:志良堂勝規(グラフィニカ)
編集:吉武将人
音楽:光田康典
音楽制作:KADOKAWA
音響監督:吉田光平
音響効果:小山健二(サウンドボックス)
録音調整:八巻大樹(クラングクラン)
アニメーションプロデューサー:志太駿介
アニメーション制作:TRIGGER
製作:「ダンジョン飯」製作委員会
オープニング主題歌 「Sleep Walking Orchestra」 BUMP OF CHICKEN(TOY’S FACTORY)
エンディング主題歌 「Party!!」 緑黄色社会(Sony Music Labels)
■CAST:
ライオス:熊谷健太郎
マルシル:千本木彩花
チルチャック:泊明日菜
センシ:中 博史
ファリン:早見沙織
ナマリ:三木 晶
シュロー:川田紳司
カブルー:加藤 渉
リンシャ:高橋李依
ミックベル:富田美憂
クロ:奈良 徹
ホルム:広瀬裕也
ダイア:河村 螢
シスル:小林ゆう
アニメ公式HP:https://delicious-in-dungeon.com
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(C)九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会