『SPY×FAMILY』MISSION:33「船上の交響曲」 金のためだけに働くのではなく【朝どれアニメちょこっとコラム】

何のために人は仕事をするのかと言われれば、金を稼ぐため・食っていくためという話になる。でも、本当に金を稼ぐためだけに仕事をしている人を見るとなんだかモヤモヤとした気持ちが湧き上がる。舟平の「YELLOW NIGHT」の歌詞に「金の為に死ねねぇ癖に金の為に生きるてめぇに溜め息」という一説があり、言い得て妙だと思った。

ならば人は何のために働くのだろうか? ここ数話に渡りその疑問と向き合ってきたのが『SPY×FAMILY』に登場する“いばら姫” ヨル・フォージャーだった。
バーリント市役所に勤務しながら裏では暗殺稼業に手を染める彼女は、人間関係について詮索されることを避けるためロイド・フォージャーの妻を演じることとなる。結果、ロイドの収入で金を稼ぐ必要がなくなるも、その後も彼女は暗殺稼業を継続するのだった。

彼女が危険を犯してでも暗殺稼業を続ける理由、それが語られたのがMISSION:33「船上の交響曲」。彼女は自身の弟・ユーリと家族・フォージャー家の面々を思い浮かべながら「世の中には理不尽な犠牲がたくさん落ちている。それを踏まないように、ひとつでも減らせるように綺麗にお掃除しなくちゃ」と自信が暗殺稼業を続ける理由を再確認する。

アドラー心理学に、人が幸せを感じるために必要なのは「共同体感覚」だと語られていた。
ヨルにとってユーリとフォージャー家の面々は、自身の属する共同体の一員だ。そんな彼らのために暗殺稼業を続けることは「他社貢献」を実現すること。彼女は暗殺稼業を続けることで「共同体感覚」を得ている。その目的意識によって彼女の姿はヒロイックにうつるのだろう。

TVアニメ『SPY×FAMILY』 Season 2

10月7日(土)23:00よりテレビ東京系列ほかにて放送
■STAFF:
原作:遠藤達哉(集英社「少年ジャンプ+」連載)
監督:古橋一浩・原田孝宏
シリーズ構成:大河内一楼
副シリーズ構成:谷村大四郎 久尾歩
キャラクターデザイン・総作画監督:嶋田和晃
色彩設計:原恭子
美術設定:塩澤良憲 スタジオイースター
美術監督:臼井みなみ
3DCG監督:宮地克明
撮影監督:佐久間悠也
編集:齋藤朱里(三嶋編集室)
音楽プロデュース:(K)NoW_NAME
音響監督:はたしょう二
音響効果:出雲範子
制作:WIT STUDIO×CloverWorks
■CAST:
ロイド・フォージャー:江口拓也
アーニャ・フォージャー:種﨑敦美
ヨル・フォージャー:早見沙織
ボンド・フォージャー:松田健一郎
フランキー・フランクリン:吉野裕行
シルヴィア・シャーウッド:甲斐田裕子
ヘンリー・ヘンダーソン:山路和弘
ユーリ・ブライア:小野賢章
ダミアン・デズモンド:藤原夏海
ベッキー・ブラックベル:加藤英美里
フィオナ・フロスト:佐倉綾音

公式サイト:https://spy-family.net/
公式X(Twitter):https://twitter.com/spyfamily_anime
公式LINE:https://lin.ee/evp4YiJ
公式Instagram:https://www.instagram.com/spy_family_official/
公式YouTube:https://www.youtube.com/@TOHOanimation

(c)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

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