TVアニメ『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』が現在毎週(木)24:59から、TBSほかにて放送中だ。
篠崎芳による同名ライトノベルを原作として制作された本アニメ。主人公は女神・ヴィシスの手によってクラスメイトと共に異世界に召喚され、クラスメイト達が次々にS級、A級と能力を見出される中、自身は最低ランクのE級である【状態異常スキル】が発現してしまった青年・三森灯河。ヴィシスによって役立たずと判定された彼は廃棄遺跡に飛ばされ、そこで自分なりの戦い方を身につけていく。
本作の主人公・三森灯河を演じるのは鈴木崚汰。灯河と共に旅をすることとなるエルフ族の騎士、セラス・アシュレインを演じるのは宮下早紀。ふたりに演じるキャラクターの印象について聞いた。

――まずは本作との出会いについてお聞きできればと思います。初めて作品に触れたのはいつのことでしたか?
鈴木 オーディションの話をいただいたタイミングでしたね。その時に目が行ったのはタイトルに使われている「蹂躙」という言葉でした。普段あまり目にしない単語だったので「すごいインパクトだな」と思ったのを覚えています。
宮下 私もオーディションのお話をいただいたタイミングで本作について知りました。鈴木さんと同じく、まずはタイトルには驚かされましたね、さぞ個性的なキャラクターが登場するんだろうと思わされました。その後本作を読み始め、主人公・三森灯河が意外と普通の少年であることにもう一度驚かされました。
鈴木 そんな灯河が単身異世界に飛ばされるかと思いきや、クラス揃って異世界に飛ばされたことにも驚かされましたよ。しかも異世界転移するタイミングがバスで移動中、そこも個性的だと感じました。
――主人公である灯河の印象はいかがでしたか?
鈴木 彼自身自信、自分のことを「空気モブ」と表現するんですよね。それがまず印象に残り、「どこにでもいる普通の少年なんだろうな」と思ってました。ただ、そのイメージは物語序盤で一転しましたね。彼自身自信暗い幼少期をすごしており、その影響で心に大きな闇を抱えている。クラスメイトに対しても「ぶちのめしてやりたい」と考えながらも、それをひた隠しにしていることが判明するんです。その二面性には器用さを感じると同時に、精神的な不器用さも感じました。
――確かに灯河の持つ二面性はインパクトが強かったですね。
鈴木 そうなんですよ。ただ、モノローグ上では思いっきり本音を語っている。本作の視聴者からしたら「本音ダダ漏れだな」と感じるとは思いますが……(笑)。
一方で、この本音を隠す力は戦闘においてもかなり活かされているとも感じました。タイトル通り彼は【状態異常スキル】という“ハズレ枠”の能力しか持っていない。それでも彼は本音を隠すことで敵を欺き、油断を誘うことで窮地を脱していきますからね。
――宮下さんはセラスに対してどのような第一印象を抱きましたか?
宮下 最初は可憐で女神のような母性を持ち、騎士としての強さも兼ね備えた完璧なキャラクターという印象を受けましたね。なので最初は私からかけ離れた存在だと思っていました。ただ、物語が進むにつれてちょっと素直すぎるところも見えてきた感じはあったというか……。
鈴木 そうなんですよね、物語が進むにつれてセラスは新たな一面を見せるようになる。元来持っている強い騎士道精神からは逸脱した行動も見られるんですよ。そのおかげで結構笑えるシーンも描かれるようになります。
宮下 そこは彼女の純粋さを描いた可愛らしいシーンだと思っていただけると嬉しいですね(笑)。
――そんなセラスのことを灯河はどう見ていると思いますか?
鈴木 ひとつの駒として見ている感じだと思いますね。恋愛対象としては見ていないというか、そういう感情が湧き上がることに蓋をしている。ただ、彼自身自信本音を隠すのが上手い面もあるので、心の底でどう思っているかは僕自身も分からいないんですよ。

――逆にセラスは灯河をどう見ているのでしょう?
宮下 最初は恐怖を感じていたように思います。灯河自信は人を見透かす能力に長けていて、素性を隠しているセラスにとっては天敵とも言える存在。それがあるきっかけから共に行動するようになり、彼の優しさや強さを目の当たりにする。同時に彼の抱える闇を垣間見て「支えてあげたい!」と感じるようになったように思いますね。その気持ちが後に恋愛感情に変わっていったのではないかと。
――ご自身と演じるキャラクターに共通点はありますか?
宮下 セラスは真面目すぎるのが災いしてポンコツな面があるんですよね。そこは私と似ていると思います。あとは楽しみなことがあると夜寝られなくなっちゃうところは私と同じですね(笑)。
鈴木 灯河の場合はどうだろう……難しいな。
宮下 鈴木さんはすごく頭がキレるので、そこは灯河っぽいと思うんですよね。収録中も常に周囲を気に掛け、どんどん話題をふってくださるので。
鈴木 そうですかね? あまり自覚はないのですが……。でも、人のことを観察したり、揚げ足取ったりするのは好きなので、そういうところは灯河とも通じるかもしれませんね(笑)。
宮下 確かに、揚げ足取るの上手かもです。
鈴木 それ、褒めてます……?
宮下 あ、そうか! すみません!
鈴木 宮下さんは今みたいなところ、セラスと似ていると感じますね。普段は口にしないけど、密かに人のことを観察して相手のいいところを把握している。どことなくセラスっぽいと思いました(笑)。

――演じるに当たって印象に残っているディレクションはありましたか?
鈴木 僕は序盤の演技が「強すぎる」とお話いただいたのが記憶に残っています。最初の方は灯河自身自信も決して強くない、敵に何度も追い込まれながら必死に生き抜く感じなんですよ。でも、僕らは後々までストーリーを知っており、彼が脅威的なほどに頭がキレるところを目の当たりにしている。そのせいで無意識に演技が“強者”っぽくなってしまったのではないかと。
宮下 私は収録開始当初「灯河との距離感が近すぎる」とディレクションを受けたのが記憶に残っています。まだセラスと灯河が十分に打ち解けていないにもかかわらず、声がルンルンしていると御指摘をいただいた。なので素気ない喋り方をするよう意識してアフレコに臨んでいましたね。できる限り鈴木さんの演技を聞かないように心がけ、休憩中も鈴木さんとは距離をとっていました。
鈴木 休憩中の冷たい態度はそういう……(笑)。
宮下 実は……(笑)。
TVアニメ『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで』
■スタッフ
原作:篠崎芳(オーバーラップ文庫刊)
キャラクター原案:KWKM
監督:福田道生
シリーズ構成:中西やすひろ
キャラクターデザイン・総作画監督:橋立佳奈
LO監修:益田賢治
クリーチャーデザイン:森木靖泰 宇佐美晧一
プロップデザイン:岩畑剛一、鈴木典孝
世界観設定:枝松聖
色彩設計:福良宗大
撮影監督:中村慎太郎
美術設定:平澤晃弘
美術監督:中尾陽子
3DCG監督:佐々木康太郎
音響監督:阿部信行
音響制作:ダックスプロダクション
音楽:斎木達彦
音楽制作:日音
アニメーション制作:Seven Arcs
アニメーション制作協力:SynergySP
2024年TBSほかにて放送決定
公式HP:https:// hazurewaku-anime.com
公式X:@hazurewaku_info
(C)篠崎芳・オーバーラップ/ハズレ枠の状態異常スキル製作委員会