『僕の心のヤバイやつ』 市川はなぜ、山田にとっての“特別”なのか【朝どれアニメちょこっとコラム】

市川京太郎と山田杏奈。『僕の心のヤバイやつ』に登場するふたりがすごい勢いで距離を近づけており、見ていてドキドキする。こと第2期に突入後は、「お前ら付き合っちゃえよ!」といった感想ばかりが脳に浮かぶ。実にもどかしい。ただ、このもどかしさこそが恋愛の醍醐味とも思うわけだけども……。

ここで気になるのが、山田は市川のどこに惹かれたのか、という点である。根暗で厨二病、人とのコミュニケーションを得意としない彼が、山田にとって特別な人になった理由はどこにあるのだろうか? 本作を追っていると、そこにはひとつ明確な理由があるように思う。

市川は良くも悪くも非常に素直な人間だ。男子中学生らしく性に強い興味を示し、時には破廉恥な妄想もする。それを無闇にひけらかしたりはしないが、一方でカッコつけて隠したりもしない。(本人はひた隠しにてるつもりかもしれないが……。)

そんな彼の態度は山田を安心させる。モデルとしても活動し、周囲からは好奇の目に晒され続ける彼女。ほとんどの人がその存在を特別視し、素直な胸中を彼女にぶつけることはない。だが、市川だけは彼女を特別視せず、ただただ素直に彼女と相対するのだ。

karte 13「僕らは探している」にて、山田が掲載されたアイドル雑誌の発売を知った市川。それを見ても彼は決して山田に羨望の眼差しを向けたりしない。今まで通りに山田と接し、素直に写真を見た感想を述べる。その市川のブレない態度が、山田にとって輝かしく見えた。だからこそふたりの距離は縮まるに至ったのだろう。

TVアニメ『僕の心のヤバイやつ』第2期

テレビ朝日系全国24局ネット“NUMAnimation”枠・BS朝日・CSテレ朝チャンネル1にて
■STAFF:
原作:桜井のりお(秋田書店「マンガクロス」連載)
監督:赤城博昭
シリーズ構成・脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:勝又聖人
色彩設計:柳澤久美子
美術監督:黛昌樹
撮影監督:峰岸健太郎竹沢裕一
編集:肥田文
音響監督:小沼則義
音響制作:マジックカプセル
音楽:牛尾憲輔
制作:シンエイ動画

第2期オープニングテーマ:あたらよ「僕は…」
第2期エンディングテーマ:こはならむ「恋してる自分すら愛せるんだ」

■CAST:
市川京太郎:堀江瞬
山田杏奈:羊宮妃那
小林ちひろ:朝井彩加
関根萌子:潘めぐみ
吉田芹那:種﨑敦美
足立翔:岡本信彦
神崎健太:佐藤元
太田力:福島潤
原穂乃香:豊崎愛生
市川香菜:田村ゆかり
南条ハルヤ:島﨑信長
安堂カンナ:井口裕香
半沢ユリネ:上田麗奈

公式HP:https://bokuyaba-anime.com/
公式X(旧Twitter):@bokuyaba_anime
公式TikToku:@bokuyaba_anime

(C)桜井のりお(秋田書店)/僕ヤバ製作委員会

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