『姫様“拷問”の時間です』EPISODE #01 善人である拷問官トーチャー・トルチュール【朝どれアニメちょこっとコラム】

福田里香が唱える「フード理論」の三原則のひとつに「善人は、フードを美味しそうに食べる」というものがある。
「画像の中で、誰かが大きな口を開けて美味しそうに食べ物を咀嚼してごくんと飲み込めば、鑑賞者は親近感を持ち、信頼を寄せる。その人物が腹の底を見せたからだ。」(ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50)
この理論から考えると『姫様“拷問”の時間です』に登場するトーチャー・トルチュールが善人に見えるのも納得がいく。

『姫様“拷問”の時間です』は、魔王軍に囚われた姫様が、最高位拷問官トーチャー・トルチュールより“一風変わった拷問”を受ける物語だ。国王軍第三騎士団長をも兼任する、気高くて強い姫様だったが、この拷問により次々に国王軍の機密を喋ってしまう。

トーチュールが繰り出す拷問は、姫様の目の前でひたすらに美味しいものを食べるというもの。EPISODE #01ではパン、たこ焼き、深夜のラーメンを次々に繰り出し、姫様の食欲を掻き立てる。そして、姫様の食欲を煽るために自身も美味しそうにこれらを食する。その様子に、我々はりトーチュールは善人だと感じずにはいられない。

本作の各エピソード、ラストにはトーチュールが姫様に食べ物を振る舞って締め括られる。善人として描かれたトーチュール。拷問の後に優しさを見せるのは必然だったと言えるだろう。
対し、同理論には「正体不明者はフードを食べない」というものもある。魔王軍の頂点、トルチュールの上に立つ魔王はフードを口にしない。1話時点、彼の正体はまだ明かされていないのだ。今後描かれ方も楽しみだ。

TVアニメ『姫様“拷問”の時間です』

■STAFF:
原作:春原ロビンソン・ひらけい(集英社「少年ジャンプ+」連載)
監督:金森陽子
シリーズ構成:筆安一幸
キャラクターデザイン:河野敏弥、古橋 聡
音響監督:明田川仁
音楽:横山 克
アニメーション制作:PINE JAM
■CAST:
姫:白石晴香
エクス:小林親弘
トーチャー・トルチュール:伊藤 静
魔王:玄田哲章
陽鬼:永瀬アンナ
陰鬼:井上ほの花

アニメ公式HP:https://himesama-goumon.com
アニメ公式X(旧Twitter):@himesama_goumon

(C)春原ロビンソン・ひらけい/集英社・国王軍第三騎士団

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