僕は時々、嫁から愛されているという自信を失う。結婚して1年半、先日子供も産まれてもいまだにというのは自分でも不思議な話だと思うんだけど……。
なので『葬送のフリーレン』第14話「若者の特権」を見ながら「シュタルク、その気持ちわかるよ」と独り言ちていた。
本話数において描かれたのはフェルンの誕生日でのエピソードだ。誕生祝いとしてフェルンへのプレゼントを用意していなかったシュタルクは、フェルンから罵詈雑言を浴びせられてしまう。しかし、彼は決しフェルンの誕生日を忘れてないわけではなかった。一緒にプレゼントを選びたいと思いながら、彼女を買い物に誘う勇気が出せずにいたのだ。
この行き違いはうちの夫婦間でもよく発生する。結果、かなりの頻度で嫁に怒られている。(ごめん……。)
そんなシュタルクと対照的に描かれたのがヒンメルだった。自信家で自己愛の強いヒンメルは、意中の相手であるフリーレンを積極的に買い物に誘い、ちょっとした記念にプレゼントを贈ることもできる。その行動はシュタルクとは正反対だ。
一昔前、僕が高校の頃までは女性に対して積極的にアプローチできる男性が良いとされる風潮があったように思う。しかし、個人のプライバシーに土足で上がり込むことをよしとしない現代において、あまりガツガツと女性にアプローチすることは決してよしとされない。
フリーレンたちが生きる物語の世界においてもこの風潮は同じなのかもしれない。シュタルクとヒンメルの間に生まれた価値観の差は世代間格差の象徴ではなかろうか。
TVアニメ『葬送のフリーレン』
■STAFF:
原作:山田鐘人・アベツカサ(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:斎藤圭一郎
シリーズ構成:鈴木智尋
キャラクターデザイン・総作画監督:長澤礼子
コンセプトアート:吉岡誠子
魔物デザイン:原科大樹
アクションディレクター:岩澤亨
美術監督:高木佐和子
美術設定:杉山晋史
色彩設計:大野春恵
3DCGディレクター:廣住茂徳
撮影監督:伏原あかね
編集:木村佳史子
音響監督:はたしょう二
音楽:Evan Call
アニメーション制作:マッドハウス
■CAST:
フリーレン:種﨑敦美
ヒンメル:岡本信彦
ハイター:東地宏樹
アイゼン:上田燿司
アニメ公式HP:http://frieren-anime.jp
アニメ公式Twitter:http://twitter.com/Anime_Frieren/
(c)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会