『SHY』第8話「さぷらいず」 変化していく僕らの“ロシア像” 【今朝のアニメ感想文】

ロシアと言われると『機動武闘伝Gガンダム』(1994)に登場したアルゴ・ガルスキーと、そのパートナーであるナスターシャ・ザビコフが最初に頭に浮かぶ。もう少し記憶を深掘りしていくと『ストリートファイターⅡ』(1991)で初登場を果たした(初出時はソビエト連邦出身だったけど……)ザンギエフといったところだろうか。

ソビエト連邦含めて頭の中を検索していくと『キン肉マン』第21回超人オリンピック ザ・ビッグファイト編(1981)で初登場を果たしたウォーズマン、『サイボーグ009』(1964)のイワン・ウイスキー(001)とガモ・ウィスキー博士なんかもロシア人だった。改めて並べとそこには一つ通底したものを感じる。

『SHY』をみていて最初に驚いたのはペペシャ・アンドレアノワ(スピリッツ)のキャラクター性だ。大酒ぐらいで常にヘベレケ、気さくで面倒見のいい彼女は、上に挙げたロシア人キャラクターとは一線を画す存在だ。加えて、彼女が生まれ育った孤児院で働く面々も明るい人ばかりときている。

ここ数年で僕らが思い描く“ロシア像”って大きく変化したんだろうな、なんてことを思う。
もちろんロシアにだっていろんな性格の人がいるという話をすればそれまでなんだけども……。マンガやアニメに登場する外国人って、その時の“国”のイメージの集約。そう考えるとここ20数年におけるこの変化はなかなかに大きいのが伺える。

近年の作品に登場したロシア人を考えたところ思い出すのは『ユーリ!!! on ICE』のヴィクトル・ニキフォロフとユーリ・プリセツキーだ。確かにヴィクトルもかなり気さくなキャラクターだったな、なんてことを思うのだった。

TVアニメ『SHY』

■STAFF:
原作:実樹ぶきみ(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:安藤正臣
助監督:谷口工作
シリーズ構成・脚本:中西やすひろ
メインキャラクターデザイン:田中雄一
キャラクターデザイン・総作画監督:髙井里沙 末田晃大
アクションディレクター:諸貫哲朗
CGディレクター:相澤楓馬
美術監督:下山和人
色彩設計:斉藤麻記
撮影監督:魚山真志(chiptune)
編集:内田恵(MarvyJack)
音響監督:濱野高年
音楽:椿山日南子
アニメーション制作:エイトビット
■CAST:
シャイ/紅葉山テル:下地紫野
小石川惟子:東山奈央
えびお:杉田智和
スピリッツ:能登麻美子
スターダスト:三木眞一郎
レディ・ブラック:鈴代紗弓
ミェンロン:村瀬歩
ユニロード:井上喜久子

公式サイト:shy-anime.com
公式Twitter:@SHY_off

(c)実樹ぶきみ(秋田書店)/SHY製作委員会

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