『鬼武者』エピソード8「魂」 佐々木小次郎の魂が成仏するまで【今朝のアニメ感想文】

幼少期から気になっていたこと。果たして巌流島の戦いはあれでよかったのだろうか?
最強の剣豪と呼ばれた宮本武蔵と佐々木小次郎、両者が激突したのがこの巌流島の戦いだ。三尺にも及ぶ太刀・通称“物干し竿”を武器とする小次郎。これに対し武蔵は、この日のためだけに櫂を削って作った木刀を用意して決闘に挑む。そして、小次郎の間合いの外から小次郎を討ち取り、この戦いに勝利するのだ。

そんな後出しじゃんけんみたいな方法で決着をつけられてもな……というのが幼少期からの感想だ。小次郎からすればこの戦いを通して最期を迎えるのは不本意だっただろう。この世に未練が残り、成仏することもできなかろうに、なんてことを思う。

この決闘の再戦が描かれたのがアニメ『鬼武者』エピソード8「魂」だった。
鬼の力を得た晩年の宮本武蔵と、幻魔の力を借りて蘇った佐々木小次郎。持てる力をぶつけ合う両者は、その戦いを徐々にヒートアップしていく。この戦いの過程でふたりは徐々に人ならざる者の力を借りた戦いへとシフトしていった。

しかし、この決闘の最後で両者は原点回帰を果たす。武蔵は鬼の力の供給源である“鬼の籠手”を外し、櫂を手に最終決戦に挑む。対する小次郎も“物干し竿”一本を武器に武蔵に応戦。その決着は描かれないまま本作は締め括られる。

共に巌流島の戦いを模して挑んだこの最終決戦。お互いの手の内は完全に割れており、そこに“後出しジャンケン”の要素は一つもなかった。このフェアな条件でぶつかることで、両者の間には真の勝敗が決したことだろう。この戦いを持って初めて小次郎は無事成仏できただろうな、なんてことを思うのだった。

Netflixシリーズ アニメ『鬼武者』

原作 CAPCOM
総監督 三池崇史
監督 須貝真也
制作 サブリメイション
登場人物 主人公/宮本武蔵:モデル/三船敏郎(協力:三船プロダクション)

【声の出演】
宮本武蔵:大塚明夫
松木兼介:大塚芳忠
佐兵衛:山下大輝
五郎丸:木村昴
平九郎:小西克幸
海全:興津和幸
弦斎:古川慎
さよ:山根 綺
伊右衛門:木村良平
佐々木小次郎:関俊彦

公式サイト:https://www.capcom.co.jp/onimusha/
Twitter:https://twitter.com/onimusha_capcom

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